大型類人猿の 研究・飼育・自然保護にかんする提言
チンパンジー(およびボノボ)、ゴリラ、オランウータンの3属4種に分類される大型類人猿は、現存するものとしてはヒトに最も近縁な生き物です。かれらは、CITES(サイティース、通称ワシントン条約)において、「絶滅の危機に瀕した種」として分類されています。ヒトはどのような進化をとげたのかを理解するうえで、これら大型類人猿の研究はきわめて重要です。そこで、以下の方々の賛同を得て、下記の3項目の提言をおこないます。
野生の大型類人猿とその生息域を保全する。
飼育下の大型類人猿の「生活の質(QOL)」を向上させる。
大型類人猿を侵襲的な研究の対象にせず、非侵襲的な方法によって人間理解を深める研究を推進する。
長尾真、京都大学総長
井村裕夫、京都大学前総長、文部省学術顧問、科学技術会議議員
日高敏隆、滋賀県立大学学長、日本動物行動学会初代会長
石田英実、京都大学教授、日本人類学会会長
木村賛、東京大学教授、日本人類学会次期会長
田中二郎、京都大学教授、日本アフリカ学会副会長
小嶋祥三、京都大学教授、日本乳児行動発達学会副会長
河合雅雄、京都大学名誉教授、兵庫県立自然史博物館館長
伊谷純一郎、京都大学名誉教授、神戸学院大学教授
小林登、東京大学名誉教授、国立小児病院前院長
久保田競、京都大学名誉教授、京都大学霊長類研究所前所長
岩本光雄、京都大学名誉教授、財団法人日本モンキーセンター所長
増井光子、麻布大学教授、東京恩賜上野動物園前園長
竹中修、京都大学教授、COE研究拠点形成プログラム代表者
杉山幸丸、京都大学教授
西田利貞、京都大学教授
加納隆至、京都大学教授
松沢哲郎、京都大学教授
山極寿一、京都大学助教授
サガ・シンポジウム提言(1998年9月10日版)
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