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ごあいさつ


SAGAが20回目という節目の年を迎えました。

初代の世話役代表として、この機会に一言ご挨拶申し上げます。

1998年11月19-20日に、第1回SAGAが犬山のフロイデで開催されました。 本会は「アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い(Support for African/Asian Great Apes)」と称します。 略称は、頭文字をとってSAGA(サガ)です。 サガは、英語では、「たくさんのエピソードから成る長い物語」を意味します。 すでにチンパンジーについては、1986年に、グドールさんの呼びかけによって、 アメリカ・シカゴ科学院に世界中から結集したチンパンジー研究者が、 「チンパンジーの自然保護と飼育のための委員会(略称CCCC)」を組織しました。 SAGAは、そのCCCCの精神を受け継ぎ、

①チンパンジーだけでなくより広く大型類人猿全体を包括し、

②研究者だけでなく動物園人や保護活動家やメディアや一般市民などより広汎な人々を対象にした集いです。

当時まだ40歳台だったのですが、山極さんと松沢が呼びかけて、世話人を募りました。 いまに続く、手弁当で集まる人々です。 ジェーン・グドールさんはそのSAGAの初回から参加しています。 このたび2017年度のコスモス国際賞を授賞されました。 野生チンパンジー研究と保全活動が評価されたとえいえるでしょう。

SAGAと呼ぶ運動の根底にあるのは、自由、自主、自立の精神だと思います。 学会ではない。会員制をとりません。どなたでも参加できます。 自由な発想で、 だれに命じられるわけでもなく自主的に、 どこからの支援もうけずに自立して、 活動してきました。 そうしたSAGAの精神が受け継がれて、 大型類人猿の研究、教育、社会貢献がさらに深化することを願っています。


松沢哲郎、京都大学高等研究院特別教授

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