野生の大型類人猿とヒトとのソーシャルディスタンス
鹿児島大学共通教育センター・藤田志歩
大型類人猿はヒトと近縁であるがゆえに、ヒト由来の病原体に感染しやすいという性質がある。そのため、野生大型類人猿の調査地や観光サイトでは、COVID-19の世界的流行以前から、野生大型類人猿とヒトとの「ディスタンス」について注意が払われてきた。本発表では、感染症の流行が野生大型類人猿に及ぼすインパクトや、健康モニタリングの事例について紹介する。
研究・保全・啓発活動へのSNSの活用
京都大・徳山奈帆子
近年、研究者個人や研究・保全団体によるSNSでの発信が盛んに行われるようになってきました。発信により活動を身近に感じていただいて支援の輪を広げることができる一方、発信者の意図せぬ形での影響を及ぼす可能性があることも分かってきました。私自身がチンパンジーのエンタメ利用問題やボノボの研究保全活動について発信した体験や、IUCN霊長類専門グループによる「霊長類に関する適切な画像配信のためのガイドライン」についてお話したいと思います。
動物について「身近に」「正しく」知ってもらうために・・・!
京都市動物園・板東はるな
京都市動物園では近年SNSに力を入れています。チンパンジーの魅力を伝えるための投稿や,エンターテイメント利用への問題提起のための発信,高齢個体の老いや死についての一歩踏み込んだ発信について,気を付けた点,どのような反応があったかなどを報告します。
日本モンキーセンターのSNSを利用した情報発信とそこから広がる"支猿"の輪
日本モンキーセンター・藤森唯
日本モンキーセンターではSNSを利用して情報を発信し、そこからつながった"ご支猿"の輪のひとつであるクラウドファンディングにより、非公開エリアの動物のための施設を建てることができました。今回はこれらの取り組みについてご紹介します。
大型類人猿観光とSNS
京都大・大塚亮真
大型類人猿の生息地において、観光の一環として野生大型類人猿の観察体験を提供していることがあります。近年、そのような大型類人猿観光に関する情報の検索や体験の共有の場として、SNSが注目を浴びるようになってきました。最近の研究をいくつか紹介したあと、人々がSNSで体験をシェアする動機やSNS上のコンテンツが観光活動に与える影響について、個人的な体験も踏まえながら考えてみたいと思います。
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